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「命を守る上で一番大事なのは建物被害を防ぐこと」。住宅の耐震診断・補強や家具固定などを手掛ける藤後博司さん(津市)は指摘する。
震災時は、服飾メーカーの営業職として大阪府内にいた。取引先を訪ねた兵庫県で家屋の倒壊を目の当たりにし、地震対策の必要性を強く感じた。一念発起、建築士の資格をとって、4年ほど前に起業した。
81年6月以降に建てられた木造住宅を対象に、県が「無料耐震診断」を始めたのは、震災から7年遅れの02年。危険があると判断されれば、土台と柱を金具で固定するなど補強工事が欠かせない。県住宅室によると、一軒200万円程度かかるが、「120万円ぐらいでもできる」と藤後さんは言う。
県と自治体で耐震補強工事を最大60万円補助する制度も今年度から始まった。だが、活用は21市町村だけ。無料診断の対象となる約26万6千戸のうち、この10月末までの申込数も7191戸と3%弱、補強はわずか33戸にとどまる。
県は「抜本対策に乗り出すのが遅かったうえ、自治体も個人も財産負担が二の足を踏ませている」とみる。
昨年度、県民2,500人に実施した意識調査では、5割近くが何らかの食料を備蓄していた。「それでも、揺れで命を落としては、備蓄も生かされない」と対策を急ぐよう呼びかける。
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